
『大学生活はモラトリアム期間』
そう言われていた時代がありました。
社会に出たくなくて、学生生活をサークル活動やバイトで楽しく過ごす。
そんな時期のことです。
私は大学生でもないのに、モラトリアム期間を満喫してました。むしろ、
「一生モラトリアム期間でいたい」
「結婚したら専業主婦になりたい」
と願うくらい、自堕落な人間でした。
新卒でフリーターになった経緯はこちらからどうぞ。

フリーターから派遣社員へ
そんな私も、いよいよ働かないといけないプレッシャーに負けて、就職活動を開始。
とりあえず派遣で仕事をすることになりました。
事務職を希望してましたが、派遣会社もまともな職務経歴がない人間を、いきなり事務職に応募させたりはしません。
「まずは短期のスポットで、派遣会社での実績を作ってから、事務職を目指しましょう」
そう言われ、電気屋でインターネット契約を勧める仕事を紹介されました。
当時はスマホなどなく、ガラケーの時代です。
ネットは家のパソコンで見るもので、ADSLが主流の頃でした。
電気屋さんに行くと、よくお店の入り口で、
「今キャンペーンやってまーす!」
とアピールしてきた女の子がいませんでしたか?
あれをやることになったのです。
希望の職種ではなかったけど、
- 派遣会社の人の『実績作り』という説明に納得した
- 紹介された勤務先が家から近い
- 仕事内容はどうあれ、バイトや契約社員の時と比べて圧倒的に時給が良い
という理由から、とりあえずやってみることにしました。
事前に研修を受けたときに、
『それほど契約件数にシビアではないけど、月に数件はとるようにしてください』
と言われていました。
まったく契約が取れない状態が続くと、派遣先から悪評価がつき、派遣契約が更新されないそうです。
そんな話を聞いていたので当然必死。
最低、月1.2件とれれば大丈夫とのことだったので、それが目標になりました。
月1.2件と書くとずいぶんゆるいように見えますが、その頃は、すでに一般家庭にインターネットが普及しきっている時期。
契約をとる策としては、
- ISDNからADSLへの切り替え
- 他社のADSLから乗り換え
- すでに自社のADSLを使用している人には光を勧める
くらいしか方法がなかったのです。
平日の田舎の電気屋に人なんてそうそう来ません。
しかも私のブースの隣には、大手のライバルが2社並んでいます。
そんな環境での月1.2件という数字は、決して簡単なノルマではありません。
事実、私の前任者のかたは、ほとんど契約が取れず私にチェンジされるという展開だったのです。
しかし『派遣先での評価を良くして、事務職の仕事に繋げたい!』と思っていた私は、とにかくほとんどのお客さんに声をかけまくりました。
その体育会系なノリで、毎月3.4件は獲得。
役立ったスキルは、某ハンバーガーショップでの接客経験と趣味でやってた演劇でした。
ときどき電気屋の社員さんからも、インターネットを契約したいお客さんを紹介されることがあります。
紹介した時のマージンは会社によって違っていて、私が派遣されてた会社はマージン低かったようです。
社員の方だって、
A社・¥2,000-
B社・¥5,000-
C社・¥10,000-
とマージンが違っているなら、¥10,000-もらえるC社を紹介するのが当たり前。
そのため、紹介案件はほぼライバル会社に流れていきました。
それでも私の成約率が高かったことで、徐々に信頼されるようになり、
「今月はもうあっち(ライバル会社)にお客さん回してるし、今度はマナカさんの方に回すよ!」
と、紹介してもらえるようにもなりました。
おかげ毎月の目標契約数は余裕でクリア。
ISDNとADSLと光回線の知識も身につきましたし、与えられた仕事を全うしている自分に、自信を持つようになりました。
4ヶ月ほど働いて、惜しまれつつ契約終了。
派遣会社は約束通り事務職の案件を紹介してくれて、とうとう念願の事務職に就くことになったのです。
いよいよ憧れの事務職と、オフィス勤務
はじめての事務職は、とてもいい派遣先でした。
募集していたのは、正社員の方のアシスタント。
すでに1人派遣のアシスタントがいて、アシスタントの方の仕事が増えてきたため、追加募集という形の、おまけ要因みたいな立場です。
面接の時から
「(事務職未経験でも)1からキチンと教えるので大丈夫ですよ〜」
とありがたい言葉をいただいてました。
運がいいとしか思えない、事務職ビギナーにとっては理想の募集環境です。
他にも面接を受けた人がいたと聞いてましたが、その中で私が採用されたのは、
元からいた派遣の方との年齢的バランスと
その派遣の方と相性的にうまくやっていけそう、
という理由からでした。
アルバイトでもパートでも、派遣でも正社員でも、事務職は人気があります。
それまで立ち仕事しかしていなかった私が事務職を目指した理由は、夫からのアドバイスがあったから。
それまでアルバイトのような働き方しかしていなかったので、事務職がどんな仕事をするのか、事務職の何がいいのか、説明されてもピンときていませんでした。
だけど実際に働き始めて、メリットはすぐにわかりました。
土日休み
不特定多数のお客さんとかかわることがなく、いつも決まったお客さんとのやり取りだけ
基本メールと電話のやり取りなので、営業スマイルをしている必要がない
座り仕事
土日休みについては、業種によって平日休みの場合もあるので事務職のメリットではないですが。
ただ、スーパーや電気屋で働いていたため、これまで土日は基本働いていました。
土日に家族連れがにぎわう中、自分が働いているのは、当時の私にはつらかったです。
みんなが休んでいるときに、私は働かないといけないんだなぁと思って。
逆に言えば、平日の人が少ない日に買い物したり銀行に行ったりできるのは、人ごみの苦手な私にはとってもいいことなんですけどね!
当時はそういうこともわかりませんでした。
ただ、土日休みだと、祝日も休みになることが多いので、土日休みのほうが年間休日日数は増えますね。
平日休みの場合、祝日が休みということはあまりないです。
毎日決まったお客さん相手というのも、人見知りがちな私にはとてもありがたい環境でした。
バイトで接客をしたり、演劇をやっていたおかげで、意識すれば、社交的な人間を演じることもできましたが、もともとは、あまりたくさんの人と関わりたくないひとり好き。
この頃夫とつき合っていましたが、合うのは毎週土曜日で、日曜日は家でひきこもりたい、というスタンスでした。
なので、特定のお客さんとだけのやり取り、しかもメールと電話というのは、かなりストレスフリーな環境です。
スーパーでも、電気屋でも、いろんなお客さんがいます。
私はひどいクレーマーさんなどに出会ったことはありませんが、お客というだけで態度が悪い人はいるので。
そして私にとって一番のメリットが、座り仕事だったこと。
一日中立ち仕事ってホントにしんどいです。
足はパンパンになるし、お客さんがいなくてヒマでも、基本的に自分のエリアからあまり動けない。
20代くらいならまだ体力あるのでいいですが、50代くらいになって同じ環境で仕事ができるとはとても思えませんでした。
フリーターでも事務未経験からオフィスワークの仕事に就けた理由
こうして派遣の実績を積み上げていった私は、事務職に就くことができました。
売り手市場と言われていても、オフィスワークは常に有効求人倍率が1倍に届きません。
さらにAI化が加速していけば、一般事務職はなくなっていくでしょう。
そんな中で事務職につくためには、専門的な知識が求められます。
次回は、事務職に就くためのオススメ知識をお話ししようと思います。