
『7つの習慣』は人生においてとても大事な考えかたが書かれている本です。
しかし、初めて読むと言葉の難しさ、抽象さにピンと来ないと感じる人もいるのではないでしょうか。
今回はそんな人のために、「7つの習慣」の前に意識するべき「インサイド・アウト」の考え方について、具体例をあげて説明しようと思います。
「インサイド・アウト」とは「7つの習慣」の前に意識すること
まず、「7つの習慣」はこの7つ。
第1の習慣:主体的である
第2の習慣:終わりを思い描くことから始める
第3の習慣:最優先事項を優先する
第4の習慣:Win-Winを考える
第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される
第6の習慣:シナジーを創り出す
第7の習慣:刃を砥ぐ
「インサイド・アウト」という言葉が出てきません。
そう、「インサイド・アウト」は7つの習慣を身につける上で、基本となる考え方なのです。
つまりこの考え方ができなければ、7つの習慣も身につかない。
「インサイド・アウト」とは、インサイド(内側=自分の内面)が変わってから、アウト(自分以外のもの=他人や取り巻く環境)が変わること。
まだよくわかりませんね。
私のことを具体例にしてお話ししようと思います。
「インサイド・アウト」の具体例
夫は収入が少なく、生活費のほとんどを私が捻出しています。
結婚するときからわかっていたのですが、
「もしかしたら結婚して、働き方を変えたりするかも」
と思っていました。
しかし結婚しても状況は変わらず、生活のために仕事をしてる私はストレスを抱えていきました。
- 普通の家庭は当たり前に夫が働いているのに、どうしてうちは違うんだろう。
- 私は夫を養うために生きているんだろうか。
- 人生つまらない。離婚していちからやり直したい。
毎日そんな思いで生活していると、態度にも表れるんですよね。
平日仕事が遅くなったとき、駅まで迎えにきてくれる夫に八つ当たりしてました。
仕事でこんなにしんどい思いしてるのは、夫が働かなくて私が働くハメになっているからだ、と思っていたから。
また、週末は1人で部屋にこもり、好きなことに時間を使っていました。
夫に「出かけようよ」と誘われると、あからさまに不機嫌な態度になり、話しかけられても無視したりしていました。
平日生活のために仕事をしてるんだから、週末くらい好きにさせてよ。
週末まで私の邪魔しないでよ。
そんな風に思っていたからです。

しかし日々そんな態度をとっていれば、夫もイライラしてきます。
「なんでそんな態度とるの?!なにが不満なの?!」
と喧嘩になることがたびたびありました。
私は泣きながら溜めていた気持ちを吐き出して、夫が
「ごめんね、いつもありがとうね」
となだめて終了、
というのが喧嘩のパターンです。
でも根本的な解決にはなってないから、数ヶ月後に同じことの繰り返し。
それが10年以上続きました。
自分でもパターンがわかっていて、疲れきっていました。
それでもその繰り返しから抜け出せませんでした。
すべての原因は、夫が働かないことだと思っていたからです。
はい、ここ!
これが「アウトサイド・イン」の考え方。
原因は自分の以外にある、という考え方です。
『男は家族を養うもの』
という固定観念を捨てることができなかったから、こんなに苦しむことになったのです。
物の見方を変えて自分が変わらなければ、周囲の物事も変わらない。
—「まんがでわかる7つの習慣」p.17—
「インサイド・アウト」で世界を見るには
『原因は夫が働かないこと』
その考えに疑問を抱いたことすらありませんでした。
なぜなら世間一般的では、『男は家族を養うもの』という考え方が大多数だからです。
もし私が質問サイトで、「働かない夫と離婚しようと思うんだけど、どう思いますか」と質問したら、ほとんどが「そんな夫別れてよし!」という回答になる気がします。
(実際、そういう質問も多いですね)
これが私の「パラダイム(物の見方)」でした。

でもその考え方はストレスを溜めるだけで、なんの解決にもならなかったのです。
多くの人は自分の都合のいいように物事を見て、「いいこと」と「悪いこと」を判断している。
—「まんがでわかる7つの習慣」p.16—
・・・相手と意見が合わないと、相手のほうが間違っていると瞬間的に思う。
—「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」p.22—
ではどうすれば良いのか?
結婚当時、収入が少ないことが問題なら2人で話し合うべきでした。
だけど私はそれをしなかった。
収入が少ないことが問題と思っていなかったから。
つまり、もともと問題はなかったのです。
夫は何も変わってないのに、私の見方が変わって不満に感じるようになっただけ。
「起こった物事」自体が問題なのではなく、それによって「自分が問題だと感じているから問題になる」。
この場合、「夫が働かないこと」自体が問題なのではなく、「私が働かないことを問題だと思っていることが問題」だったのです。
「インサイド・アウト」で変わったこと

10年以上繰り返してきた喧嘩がパタッとなくなりました。
夫にストレスを感じなくなり、常に『お互いを思いやれる夫婦であるためには?』と考えて行動するようになりました。
自分の「パラダイム(物の見方)」に気づいて、「パラダイムシフト(見方を変えること)」したからです。
「パラダイム」は、サングラスに似ています。
黒いサングラスをかけたら、視界は暗く見えます。
赤いサングラスをかけたら、視界は赤く見えます。
「世の中はイヤなやつばかり」というサングラスをかけたら、世の中イヤな人ばかりに見えてしまいますよね。
私は「男は家族を養うもの」というサングラスをかけてました。
だからそうしない夫に強い違和感を覚えた。
「パラダイム」の存在に気づくと、自分の物の見方に疑問を持つことができるようになります。
マザーテレサの有名な言葉があります。
思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。
この「思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。」の部分はまさに「インサイド・アウト」の考え方ですね。
表面だけ取り繕っても意味がなくて。
それだとむしろ、自分の感情と正反対の行動をすることになるので、ますますストレスが溜まっていってしまうのです。
私はこれまで、自分の考え方に間違いがあるなんて思いもしませんでした。
だけど周囲のせいで不遇な環境に置かれていると感じていたので、「自分が損しないためには?」という考えのもと、行動していました。
自分の考え方が自分を苦しめていたなんて驚きです。
私はまだ「インサイド・アウト」の考え方に気づき始めたばかりですが、これからどこまで変われるか楽しみになりました。
【本ブログ引用元・参考元の出典】

『7つの習慣』に初めて触れるなら、漫画からのほうが読みやすくてオススメ。
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